「いくよ…"疾風"」
今度は、男の子の足元と、肘、三つの箇所に魔法陣が現れる。
ぐっ、と身をかがめ構えたのと同時にシュベロ達全員も反撃のチャンスを伺う。
「ブースト」
そう言ったのと同時に、爆発音がする。
が、何かが爆発したというわけでもなく、ただ男の子の姿が消えていた。
そして、再度声が聞こえた。
「「天使の羽衣」<エンジェルローブ>」
声が聞こえたのは、シュベロの仲間の一人、筋肉隆々のマスクを被った男の目の前に居た時だった。
マスクを被った男は突然の出来事に何も把握できず、風が纏われた右ストレートを腹部に直接受けてしまった。
最初の殴られた鈍痛の後、追加攻撃として風の力が付与されマスクを被った男が吹き飛ばされた。
「天使の羽衣」<エンジェルローブ>とは、拳や足に風を纏い、ゼロ距離攻撃を仕掛けたという条件下でのみ、追加攻撃が付与される魔法だ。
「シリアルっ!」
吹っ飛んだマスクを被った男を、シュベロはシリアル、と呼んだ。
しかし壁にめり込み返事は無い。気絶しているようだ。
まるで、次は自分だというような恐怖が襲い、シュベロは舌打ちをした。


