「なっ⁉︎」
風に遊ばれ簡単に吹き飛ぶ体ではうまく体制がとれず、魔法での反撃も難しい。
それよりも、驚いた事は、風魔法での攻撃だった。
基本風魔法は魔力を多く消費する魔法の一つで、基本援護魔法にまわされるため好む者は多くない。
その少ない風魔導師達が主にできる事といえば、風を体にまとわせた鎧、もって1時間…風をブーストのようにして使うのは5回程度が一般的魔力の限界である。
決して、このように風魔法での攻撃ましてや人体を吹き飛ばす程の大きなつむじ風を起こす事はありえない。
「どれほど膨大な魔力なんだよッ!」
かなりの魔力を消費したはずなのに、肝心の風魔導師の男の子は顔色一つ変えない。
しばらくして風はやみ地面に身体を打ち付け、そのまま気絶する者やそれに耐える者、魔法でのバリアをはる者も居た。
しかし立っているものは少なかった。
シュベロをあわせて五人となってしまった。
「まさか本物の「風神」ってわけじゃぁねぇよなぁ…!」
シュベロの口角は引きつっていた。
今度は自らが攻撃をしかけた。
が、シュベロは「煙造形師」<アート・スモーカー>。煙を造形しても、男の子の風魔法でかき消された。
シュベロが次の手を考えている中、男の子は、部屋の隅で倒れるカンナヅキを見つけた。
「お姉さん…?」
まさかここの一味にでもなったか、と考えたがすぐに打ち消された。
反応はないが、意識はあるようだった。小刻みに震えているのが分かった。
「お姉さん!」
男の子が!もう一度強く呼ぶとゆっくりではあるが、首だけをこちらに向けた。
刹那、カンナヅキの瞳が見開かれた。
何故、ここに。そんな目をしていた。


