そう言った男の子の容姿は愛くるしいと表現するに相応しく、背が小さめのシュベロでも見下ろせるほどだ。
灰色のマフラーをしておりリュックサックを背負った、至って普通の男の子。
しかし、魔導師であることには間違いない。
「何をした…」
小さく問いかけたシュベロに、男の子は小さく分かってるくせに、と言う。
「僕はギルドの仕事で来たんだ。始末させてもらうよ、「人身売買者<ヒューマンブローカー>さん」
にこりと笑った男の子に、戦闘の意識があると理解したシュベロは急いで間合いをとる。
それを合図のように、シュベロの仲間も戦闘態勢をとる。
男の子は入り口に立ったまま、両手を胸の前で合わせた。
「"疾風"」
そう、男の子が言ったのと同時に部屋の床に大きな魔法陣が浮かび上がる。
魔法とは、魔導師の魔力、呪文、魔法陣の三つがそろって初めて成立するものである。
故に、魔法陣が現れた時は、魔法が使われる合図となる。
シュベロ達がそれを理解した時には遅い。
魔法が生成されるのは魔導師の個人差もあるが一瞬の出来事となる。
「サイクロン」
魔法陣からの風を感じた瞬間、強風が男たちの体を吹き飛ばした。


