何故、俺がこんな『ひきこもり』になってしまったのか。
そんなのは単純かつよくある理由。


俺はガキの頃から、本が大好きだった。

絵本や小説はもちろんのこと
地図帳やゲームの攻略本、たまに母からファッション雑誌を借りて毎日読み漁っていた。

別に内容なんてどうでもいいのだ。
言葉の意味などわからなくてもいいのだ。

ただ純粋に、俺は本を読むという時間が大好きだった。

自分の世界に入り、そこからその本のストーリーを想像したり、予想したり

地図帳とかでも、その国はどんな場所だろうとか
こんな国だったら行ってみたいな、とか。


誰にも邪魔されずに色々考えている時間が好きだった。


しかし、そんな俺を周りは気に食わなかったらしい。


何かと言えば茶々を入れ
俺を馬鹿にして皆楽しんでいた。


それはどんどんエスカレートしていき

中学に上がる頃には最早“イジメ”と呼ぶに相応しい嫌がらせとなっていた。


それは高校生になっても何故か変わらず

俺はだんだん自分の殻にこもるようになっていった。


しかし、後悔はしていない。

何故なら、俺は毎日大好きなゲーム三昧の楽しい日々を送っているからだ。

おかげで俺の目の下にはクマができ
食生活は悪くなってしまったが。



『だああああぁぁぁぁぁ!!!』


俺はまたコントローラーを投げ捨てる。


なんでまた負けるんだっ?!