日本語が通じるかとか、 そういうのは置いておいて、 不審たっぷりに俺が呟くと、男は口を開いた。 「ここは、小夜子の家?」 …こいつ、姉さんの知り合いか? 「そうだけど…あんた何?」 そいつは答える代わりに、 着膨れたコートのボタンを外して、内側を見せた。 中に…姉さんがいた。 姉さんは小柄だ。 だけど、まさかコートの中にすっぽり入っても、 気付かないとは思わなかった。