あなたがいれば、こっちのもの。

あいつはとにかく、
あなたが大切でしょうがないみたいだしねぇ……。




……誰?

意識は何とかそれだけ浮かべると、暗い底へと沈み始めた。


最後に、操作中の携帯電話がするりと手から滑り落ちたことだけが、


やけに印象強く小夜子の頭に焼きついた。