「『セレナ』。セレナ=エステバンって言ってたかな……」 「セレナ!?」 瞬間的に、エリアルが叫んだ。それまでの、柔和な雰囲気が消える。 「……知ってる人?」 何となく尋ねると、エリアルは黙って頷いた。 「そういえば……孝にはまだ、話してなかったよね。 僕が、日本に来た理由」 「え?ああ。……それが何?」 どうでもいいけど、と言葉を繋げられなかった。 様子からして、只事じゃない。 ……エリアルはまた、『吸血鬼の顔』になっていた。