「孝、お帰り」 午後六時三十五分。 帰宅すると、 エリアルはリビングでニュースを見ていた。 奴は勝手に、父さんのパーカーとワークパンツを着て、 マグカップを持って、お茶を飲んでいる。 おそらく、それらは全部姉さんが出した物なんだろうけど。 俺が返事をしないでいると、エリアルは困ったように笑って、 また目線をニュースに戻した。