「俺は、ずっとあなたが『セレナさん』なんだと思っていました。

だけど、エリアルはちゃんと間違えずに、
『本物のセレナさん』のところへ行った。

……本物のセレナさんって、誰なんですか?」


俺は、奇妙な質問をしたと思う。

だけど、頭の中が複雑に絡まっていて、それ以上の言葉にならなかった。

それでも、コレットさんは答えてくれた。

「……私が孝さんの前で、『トキトウさん』と呼んだ人…



…あれが、セレナさんです」



「嘘……」

俺は、必死に記憶を手繰った。


どう見ても、日本人にしか見えなかった…

…あの人が、『セレナ』……。