俺は、眉を顰めた。

「それって……誰の事ですか?」

「セレナさんは、吸血鬼です。

でも、私の血は吸わないって約束してくれました。

だけど、一つ頼みごとがあるって言って…
…私達は、名前を交換して日本に来たんです。

私もセレナさんも、日本に来たがっていたから…
…私の祖父は、日本人でしたし」

コレットさんは、笑みを浮かべたまま、必死で喋った。

よく聞くとその言葉は、時々アクセントがおかしかったり、
妙にたどたどしかったりする。

もしかして、『日本語が流暢なセレナ』としての仮面が崩れたから……?

ということは……。