「……私、小さな頃から、仕事が嫌でした。

着せ替え人形みたいに、色んな服を着せられて、写真を撮られて…
…CDを出したり、CMやドラマや映画にも出ました。

私の母、いわゆるステージママだったんですね……」

セレナさん――いや、コレットさんは、ぽつりぽつりと語り始めた。

「だから私……二十歳の誕生日になった時、逃げたんです。

でも、私は何も知らなかった。

ずっと周りから『守られた世界』の中にいて、世間知らずで、
それでも何とかなるって思ってたんですから。

……ただ、持っていたお金が終わりそうになった時、
変な人に声をかけられたんです。

良い仕事がある、って。

……危うく私、売られるところでした。

それを助けてくれたのが……セレナさんだったんです」