こくっ……こくっ……こくっ…… ……ああ、久方振りの血の味。 セレナは、無抵抗のエリアルの血液を容赦無く吸い、喉を鳴らした。 みるみる力が漲る。新しい傷が消えていく。 彼女は、ぐったりと頭を垂れるエリアルから牙を抜いて、溜息を吐いた。 セレナは昔、エリアルに出会ってすぐ、 同族を『餌』にする吸血鬼に襲われた。 それを返り討ちにしてから、様々なものが崩れ始めた。