花咲く頃に


「「えっ!?」」

普通に、まだ片想いの人がいる程度かと思っていたよ。
瑠那もきっとそう思ってたんだろうな。

「普通、秘密にしてたから怒るよね…」

いやいや、そんなことはしないけど…

「中学の同級生なの。今は違う高校に通ってるんだけどね、いま付き合って…もうすぐ1年なの。」

なんか、すごいな。
中学の同級生と受験の時も付き合い続けられたってことか…

「なんか、…いいね。奈々が羨ましいよ。」

奈々の明るさの源は、その彼氏さんなんだろうね。
誰かに認めてもらえているって、ほんとに幸せなことだよね。

「そうかな?でも、ありがとう。」

彼氏……か。
1回だけでも、作れるといいのにな。

「じゃあ、奈々はこれからどんどん暴いてもらわなきゃ。初キスはいつだったとか…ね?」

あ、まずい。
瑠那が真っ黒く見える。

「う、嘘だよね?」

あぁ…奈々が狼に襲われそうな羊に見えるよ。

「…さぁ?どうだろうね。」