すると、なんだか少し視界が明るくなったような気がしたので、あたしはす ぐさま目を開ける。 そして、今までの超至近距離がまるで嘘だったかのように、西園寺先輩はか なり後ろに下がっていた。 なぜだか寂しいと思うあたし。 西園寺先輩はちらっとあたしを見ると、 「初めて会った人、襲ったりなんかしないよ。」 と言い捨て、後ろを向き、校門へと走っていった。 気付くとさっきまでのどしゃ降りが嘘だったかのように、青空が広がってい た。