ヒトメボレ




「手だけじゃないよ。


悠馬くんの全部が大好き。


私に恋を教えてくれてありがとう。


さようなら。」



私はそっと彼の手にキスをすると背を向けて歩き出した。


今ならまだ間に合うから、


後ろから追いかけてきてよ。



いつもみたいに抱きしめてよ。



そんな風に願ってもあなたは来ない。



もう私のことなんてどうでもいいんだね。



それが君が出した答え。