「だ、だって……」 あのとき確かに矢野くんは薫さんを呼んで私にキスをした。 いっていいのか、わからなくて目に涙が溜まっていくばかり。 「矢野くん、が…私に……」 「薫ちゃんと間違えてキスされた、だよね?」 いつまにかそこには腕を組んで私を見つめる杉山くんの姿がある。 矢野くんはどんな顔をしてるのかな。 それだけ?とか、 悪い、とか 半分ふざけて簡単に終わらせちゃうんだろうな。 そう思いながら私は矢野くんを見上げた。 「や、の…く」 「本当なのか、それ」 けれど 全然違った。