「んっ?!」 目の前には綺麗な顔。 唇には柔らかい感触。 「ばか!」 私は薫さんじゃないっての! 私は矢野くんを突き放して部屋から飛び出た。 ファーストキスは大切な人と。なんて… 叶わない。 「ばか、ばか…っ…」 涙すら滲んでくる。 すれ違った男の人と一瞬目があった。 綺麗な瞳をしていて これまた、イケメンの類いだと思った。