「永澤サン、これやっといてくれませんか?」 「やだ」 「やれ」 「なんで年上に向かって命令するの?!」 やや大きめの声で言うとまた猫を被って「やれ」っていうのが皆聞こえてないことをいいことに私に口を開いた。 「いやだな、命令なんていつしたんです?」 目が笑ってないからなにも言えずに口ごもる私を見てニタァと笑った。 ほら!ひどい! 昨日一瞬でも優しいと思った私はバカだったのかもしれない。 皆騙されてるよ、矢野くんに。