頬に手を当てると指先が濡れた。 「ほんと…だ」 「手のかかる奴だな」 「だ、だって怖かったんだよ!?」 少し心配そうに私を見下ろしている矢野くん。 「…んぐっ」 私がおじいさんみたいな声を出したのは顔面に矢野くんが服の袖を押しつけてきたから。 「汚れちゃ……」 「散々振り回されたんだから黙って従え」 矢野くんはやさしいのかもしれない。 「バカ」 そう言って頭をぐちゃぐちゃにされた。