「佐藤さん、こちら■■■君。彼も今日からだから」
店長に紹介された彼はどうも、と言って軽く頭を下げた。
「佐藤です・・・宜しくお願いします」
緊張してほとんど俯いたまま私も頭を下げた。
今となっては彼の顔も名前もいまいち覚えていない。
覚えてるのは細身で背が175cmくらい眼鏡をしてたことくらい。
1階では書籍やCD、DVDの販売、2階でDVDのレンタルが主な店。
平日の夜1階は2人しか必要ない。
はじめは先輩達がついてたけど1ヶ月もすればほとんど私と彼の2人だけ。
彼はあまり喋らないし、私も人見知りなせいでこの1ヶ月でわかったことといえば、彼が岐阜出身なことと1浪して私でも知ってる国立大学に通っていること。
