『松浦くんー、通り過ぎてるわよ』
その声にピタッと止まる体。
振り返ると
ヒラヒラと手を降ってる沢木と
その隣でうつむき加減でチラっと俺を見る麗子ちゃん。
あれっ、
考え込んでて過ぎてたこと気づいてなかった俺。
『すぐ横に居たのに気づかないなんて』
『わるい。』
『帰るのかと思ったわ』
『そんな訳は無い。ごめんね、麗子ちゃん。ちょっと考え込んでて』
そう謝る俺をもう一度
チラっと見て頷く。
相変わらず
可愛いなぁ。
って、今そんなこと考えてる場合じゃねぇっ。
『じゃ、私はお邪魔だろうし帰るわね松浦くん、頑張るのよっ』
ポンッと肩を叩かれる。
沢木から素直に頑張れなんて
言われるとなんか、こそばいな。
『じゃ、じゃあいこっか』
よしっと気合を入れて
まだ少し俯いてる麗子ちゃんにそう声をかける。
きっと、麗子ちゃんも気まずいはずだ。
早く、きちんと謝らなきゃいけない。

