いきなり声をかけられる
その声の先にいたのは
優しい顔をした同じ中学の制服
『これ、君のじゃねーか?』
その人の手元にあったのは…
「…あっ!!」
私の大切な時計
『良かった、拾って正解だったね』
「ありがとうございます」
彼は軽く微笑んで
私の頭にポンと手を置いて
『次は落とさないようにな?』
本当に優しい笑顔を見せて
一人で帰っていった
「あの人…先輩だよね…?」
すごくかっこ良かった
絶対彼女いるんだろうな~…
あんなに完璧な感じだったら
尚更だろうな~…
そんなことを思いながら
一人で帰る帰り道
でもやっぱり彼の顔が浮かんで…
顔がほんの少し火照っていた
また会えるのかな…?
また会いたいな…
そんな風に考えていた
それが…
私たちの出逢いだった

