私も仕返しに笑ってやった。 「かーわい」 そんなことを彼が呟いていたなんて私は知らない。 「はぁ、やっと拭き終わったぁー!」 「だね」 「私が拭かなきゃいけないのに、手伝ってもらってありがとうございました」 「ううん、大丈夫だよ。俺も暇人だったし」 「そーなんですか」 「うん」 キーンコーンカーンコーン 「あっ」 昼休みが終わりのチャイムが鳴る。 「ねぇ、授業サボらない?」 「…え」