青春、始めます!






「……それは違う」


「え?」



 優喜の顔は見えない。


 でも、いつもと全然雰囲気が違う。


 それだけが分かる。




「青春ってさ、中学の頃だけ?」


「え……」



 青春は、そうでしょう?


「今だって、大人になったって、青春は出来るよ。輝かせばいいんだろ、毎日を。そんなの、簡単だよ」



 そんなこと、考えたことなかった……


 確かにそうだよね、あたしはこだわり過ぎたのかな?



「はちゃめちゃするのも、バカみたいに笑うのも、〝この時だけ〟なんてのはなくてさ。大人になってくと自由が与えられるようで自由を失くしてくんだ。」



「だから、いつでもよくね?青春に決まりなんてないんだからさ、楽しければ青春!……じゃ虫が良すぎるか?」




 あたしは首を横に大きく振った。



 なんだか深い……



「まあ、俺が青春したいってだけだけどさ!」


「ふふっ」