そんな優喜の声を聞いてるけど、止まれない。
走って走って、逃げるだけしかなかった。
あたしは、こんなことで逃げてしまう。
きっと、幻滅されたな。
もう、優しくしてくれないかもしれない。
なんで、上手くやれないの?
理由も言えない。
嫌とも言えない。
やっぱり、嫌いだ。
あたしなんて。
「も、無理……」
階段を上ってドアを開けて、目に映る空に涙を流す。
「弱い、弱い……あたしは弱いんだ……」
強くなんて、頑張ってもなれない。
そんな簡単にあたしは変われない。
忘れようとしても無理だ……
傷が、あたしには深すぎて。


