青春、始めます!





「つまりはさ……恋愛フラグが立ってるってことだね」



 恋愛フラグ……?


「なんで?」


「そりゃ、男女なんだから」


「か、関係ないもんっ!」




 恋愛なんて、あるはずがない。


 そんな甘酸っぱい青春みたいなものは、とっくのとうに無くなった。



 つまり、あたしは恋もしたことがない。



「気になるねー、美喜と優喜の恋模様が♥」


「だーからー!」




 ないんだよ、そんなもの。


 あたしには、なんにもないの……





「なぁ、部活どうするー?」


「作りたいな」


「青春部とか!?」


「いや、時期が遅いけど?」


「中学だろ、それは」


「いいじゃん!」



 男子たちの賑やかな会話。


 その中には、優喜もいた。