いきなり、あたしはパシられるようになった。



 お茶を買いに行けだとか、タオル取って来いだとか。


 それは、先輩に同い年。

 二年になると、後輩までもが言ってきた。




 そして、二年生の秋。



 大きな大会で負けた日、勝手にあたしのせいにされ、初めて殴られた。


 それからずっと、蹴っては殴られの繰り返しの毎日。




 なんで、殴られるの?


 なにか悪いこと、した?


 不思議で仕方ないのに、あたしはパシられては殴られて。





 ーなんで一分でお茶買えないの?


 ー役立たず。


 それだけで、あたしを殴る理由は十分だった。



 なにかあれば、あたしのせい。


 後輩のミスも、あたしに押し付けられた。




 まともにラケットを持てない毎日が続いた。



 限界なんて、とっくに過ぎていた。