青春、始めます!







「お、おおおおはようっ」


「おー、美喜!おはよっ♪」




 あたしは、恥ずかしさと喜びを感じながら鞄の持ち手を握りしめた。




 あの日から、2週間。

 五月の大連休も過ぎた今日。



 あたしの朝の習慣は、優喜に挨拶をすることだ。


 これも、優喜曰く仲間だかららしい。



 軽い感じの優喜に比べて、あたしは未だに慣れない。



 毎朝、顔真っ赤……だと思う。



「美喜ー!お・は・よっ」



 っ!



 席に着いて鞄を机に降ろした時、身の自由を封じられた。

 後ろから抱きつく、マミコちゃんによって。


「お、おは、おはっ……死ぬ」


「おおっと、ごめんきつかった?」



 それはそれは……もう。


 死ぬかと思ったよ。



「だ、大丈夫」



 なんて、言えるはずもなく。