青春、始めます!







 え?



 理科の準備をしていると、後ろから声を掛けられた。




「あっ……」



 あの人は、確か……さっくー。



「おかえりー!」


「た、ただいまです……あ、あのっ!」


「ん?」




 返さなきゃって思ってたんだよね……



「お釣りです、後で、ちゃんと千円返しますから!」



 あたしはポケットからお釣りを出した。



「あー、そっか。貸してたんだっけ?」



 は……?


 え、そのためにあたしに喋りかけてきたんじゃなかったの?


 何のために話しかけてきたんだろうか……?



「ぷっ、何となく喋りたかっただけだよ。」


 さっくーはクスクス笑って言った。



 いや、もう不思議過ぎるよ。