青春、始めます!





 あたしは全力で首を振った。




「……そっか、良かった」



 そう笑ってくれたマミコちゃんに、友達という言葉を理解させられた。



 ……仲良くなりたいな。



 久しぶりにそんな気持ちになった。



「……次、理科室だよね。一緒に移動しない?」


「もちろんっ」





 ほんの少しの勇気で、笑い合えることができるなんて。


 もしかしたら、あの頃のあたしに足りなかったのは勇気だったのかもしれない。



 悪いことじゃないかもしれない。


 あの頃のあたしと比べることは。

 これからの〝知恵〟になるかもしれないから。


 こうやって思い返すことが出来るもん。


 もちろん、勇気だけじゃ変わらなかっただろうけど。

 それでも、ほんの少しは変わるかもしれないよね。



 都合のいいことかもしれないけど、本当に良かったって思うんだ。







「あ、美喜ちゃーんっ」