青春、始めます!






「……っ」



 あぁ、泣いちゃいそう。



 でも、泣くなんてダメ。


 迷惑がかかっちゃうもん。



「……ま、行こうか」


「あ、うん」



 良かった、気づかれてない。




 先を歩くマミコちゃんを見ながら思う。




 ねぇ、マミコちゃんがあたしにこうやって接してくれるのはいつまで?


 優しく笑いかけてくれるのも、いつか終わるんじゃないかな?



 あぁ、なんでこんなこと思っちゃうんだろう。


 いつの間にか、信じれなくなった。

 人の優しい面を。



 あたしって、こんなに汚れてたっけ?


 なんか、全てが怖いな。



 リセットしたいのに、結局あたしはあの頃を引きずっている。


 こんな風にたまに思い出して、あの頃と比べて。


 今こんな思いを抱えてるのも、あの頃の自分のせいにして。


 でも、今とあの頃が繋がってるのは確かで。


 あの頃が、今のあたしを作ってるから。


 そう簡単には消せないんだ。