「……そっか。」


「でも、困ったねぇ……食堂とか」


「お金、なくて」


「マジかー」




 しゃがんでいたから、二人とも立ち上がった。



「……もう、いいや」


「ダメだよ、ちゃんと食べなきゃ」


「でも……マミコちゃんだって、食べる時間なくなっちゃうし」


「あたしはどうでもいいから。そうだねー……どうしよっか」



 半分……っていうか、ほとんど諦めてるあたしと、諦めてないマミコちゃん。



「んー……あ、さっく―!」



 訳の分からない言葉をひらめいたように言うマミコちゃん。



「さっ……?」


「桜井(さくらい)だよ!」



 そう言ったマミコちゃんに驚く。



「いつの間に、あたしのあだ名がさっくーになったの……?」



 あたしの名字は桜井。


 何故か美喜ちゃんからさっくーに変わってしまうなんて……