「……あらら、やっちゃったねぇ」
目を瞑って泣きそうになる。
けれど、降ってきた言葉は意外と優しくて、目を開けてマミコちゃんを見た。
「え、なんで泣いてるのさ」
「な、いてる……?」
「うん、どうしたの?」
そうだ、さっき泣きそうだったんだ。
だから、意外な言葉に驚いて我慢を緩めたから、出てきたんだ。
マミコちゃんは心配そうにあたしの目を優しく袖で拭いた。
なんで、こんなに温かいの……?
部活以外でも、こんな人出会ったことなかった。
だから、不思議。新鮮。初めて。
「あ、もしかして……美喜ちゃんってそんなに食い意地張ってた……?」
マミコちゃんは笑いながら言う。
怒らないの?
「お、こらないの……?」
「なにを怒るの?忘れ物なんてみんなするし、あたしには怒る権利ないし。」
あぁ、そんな風に思ってくれてる人がいるんだ。


