そのまま30秒くらいして
やっと現状が把握出来たようだった。
「ごめんね、僕すっかり
寝ちゃってたよ~」
私がした心配は何だったのだろう。
「そーだ、君名前は?
仲良くしようよ!!」
私の顔がみるみるうちに真っ赤に
なっていくのが分かった。
異性に面と向かって"仲良くしよう"なんて
言われたのは初めてだったからだと思う。
「明里……だけど」
「へぇ、明里ちゃん!!
僕は響希だよ、よろしくね!」
そう言うと"じゃあね!!"と言って勢いよく
走って行ってしまった。
「なんだったの? あれ……」
一つため息をつき、その日はもう
病室に戻ることにした。
