* 夏色の片想い ...

 


そのまま30秒くらいして
やっと現状が把握出来たようだった。



「ごめんね、僕すっかり
寝ちゃってたよ~」



私がした心配は何だったのだろう。



「そーだ、君名前は?
仲良くしようよ!!」



私の顔がみるみるうちに真っ赤に
なっていくのが分かった。
異性に面と向かって"仲良くしよう"なんて
言われたのは初めてだったからだと思う。



「明里……だけど」

「へぇ、明里ちゃん!!
僕は響希だよ、よろしくね!」



そう言うと"じゃあね!!"と言って勢いよく
走って行ってしまった。



「なんだったの? あれ……」



一つため息をつき、その日はもう
病室に戻ることにした。