* 夏色の片想い ...

 


「……大丈夫?」



近づいて一応声をかけてみる。
さっきからずっと目を閉じて
ピクリとも動かなければ、さすがに
心配になってきた。



「おーい……」



相変わらず反応がなくて、
肩を揺さぶってみる。

すろと、ハッとしたように少年が
目を開けた。


「ん~……。え、ここどこ……!?」

「あんた大丈夫……?」



これだけ心配したというのに
当の本人は寝ていたつもりらしく
まだ眠そうな目をゴシゴシと
こすっている。