「あんたの言う事聞くなんて
絶対嫌なんだけど。そもそもあんたの
言うこと聞く理由が...」

あ。理由...あったわ。
"やばい" そう思ったときには遅かった。


滝本の整った唇が弧を描く。

その意地悪そうな、でも
色気漂う甘い表情にドキッと、
じゃない。ゾクッとした。

冷や汗が額から流れる。

「ふぅん?この俺に逆らっていいの?」

余裕そうに聞いてくる。
く、悔しい!

「まぁ、別にいいけど?
熱々のカレーうどんぶっかけられて
その上、火傷させられたって学園中に言いふらしてもいいんだし」

"まぁ、お前が耐えられればだけど"
そう付け加えてにやっと笑った。

「耐えられるわけないじゃない!
そんなの言いふらされたら、滝本のファンから火祭りじゃ済まないわよ!
だいたいねぇ...「だったら!」

え?また?何回私の言葉を遮るの?

すると滝本は私の腕を引いて
ぐっと距離を詰めたかと思うと
耳元で悪魔の囁き。

「だったら、俺の言うことを聞く下僕になれよ」