…っく、重い、なにコレ!?
「っ!?」
いきなり腕が軽くなり、わたしは下げていた顔を上げて足を止めた。
「ったく、また1人でやろうとしてる。言ったじゃん、なんのために委員2人いるんだって」
そこには呆れ顔の早瀬が、わたしの持っていた道具を持ち上げていた。
「だってこれはわたしの仕事だし! これくらい運べる…っ!?」
「重いなら重いって素直に言えアホ! 俺を頼れアホ!」
アホを連呼した早瀬は、少し走ってその道具を持っていった。
「…わたしの仕事とらないでよ、アホ」
道具をセッティングしている早瀬の背中にぼそりと言うと、わたしは走って残りの道具を取りに行った。



