今年もきっとそうなるだろうと思って、大口を開けてあくびをひとつしたら、
「おお、豪快なあくびだなあ?」
「…げ」
運悪く、担任に見られてしまった。
「なんだよその不快感極まりない顔は」
「スイマセン」
「おぉ、そうかそうか。仕事内容がわたしにはあまりにもカンタンすぎて、カバも驚くほど豪快なあくびもしたくなると」
「え、いやそんなことミジンコほども思ってません」
なんでカバと比べられたのわたし。
「じゃあこの仕事はそんなお前にぴったりだ。そう思うだろ天音?」
「え、ちょっ、待っ」
「よーっし女子は天音に決定ー! みんな拍手ー!」
イヤミなほど大きな拍手を送られ、言葉を発しようにも発せない。



