「っはぁ、はぁ、はぁ…」
やっと自宅マンションの玄関前に到着。
約10分間のダッシュはかなり応える。
上がった息を深呼吸で整えていると、うしろから聞き慣れたベル音。
「すっげー元帰宅部! 侮れねえな!」
「な、んで帰宅部って、知ってんの…」
「小学校ん時仲良かった、天音と同中のやつから聞いた!」
「はぁ…? ってか、家までついてこないでストーカー」
「ストーカー違うし! 俺の家ココだし!」
「え…?」
「502号室! 俺ん家!」
「……」
……はい? 502号室が、早瀬の…?
「冗談ヤメてよ」
「え、なんで信じてくれないの」
「信じたくないわ」
「ヒドイなソレ」
……まさか、わたしの1つ上の階が、早瀬の家なんて…。
なんてこった。