「はいべえさん」
「えっ…!?」

忘れていた、完全に。
春奈とはなしてたから、思い出してなかったのに……。

というか…何で春奈がそのことを…。

「歌はもう、知ってるよね?」
「あ、うん…」

「はいべえさんのね、ルールがちょっと変わっちゃったみたいなの」

「え…嘘でしょ?そんなことあり
「ありえるんだよ」

阻止される。

いつになく、春奈が怖い。
春奈に対して、はじめて抱く感情だった。

「実際、いなくなってるんだから」

一方的にはなしだす。

「……うちの学校の子よ?」
「今では、神社の一番でかい木を囲んで…よびだしてたでしょ?」
「それが、ここら辺に伝わる伝説だった」
「でも…変わっちゃったのよ」

うそだと…うたがいたい。
耳を塞ぎたくなるような事実は、どうにも信じがたいものだった。


私は、半信半疑だったんだ。