流行りに敏感な女子。それって普通だよね?
誰よりも早くのっかってさ、みんなに自慢したい、そんなもんでしょ?
そう、わたしもその1人なわけ。
自分が、他人より劣ってなければそれでいいの。
だから、流行はチェックしないと……ね?


ある日の休日
「ちあきーーーっっ♪♪」
どんっと押されてよろめきながらも何とか体制を維持する。
「春奈、何すんの」
「そう冷たくなんないのっ!ビッグニュースだよビッグニュース!」
目をきらきらさせて、こっちをみつめる春奈の後ろに心なしか、尻尾がみえる。
「何、なんかあったの」
「フフーン♪よくぞ聞いてくれた♪実はね……」
怪しげな雰囲気をかもし出す春奈は、耳元でそっ、と囁いた。


「千秋、後ろ。なんかいるよ」


今まで、聞いたことのない低い声にビクつく。
バッと後ろをふりかえるも、特に何もない。
「もう…なに?ビッグニュースってまさか…」
「うん♪嘘に決まってんじゃん♪」
「あーもう。びっくりした。やめてよねー」
心臓に悪い。せっかくドキドキわくわくで待ってたのに。馬鹿やろう、私のドキドキを返せ。
「ごめんって!」
悪気もなさそうだ。
「なんかわびにおごるから、許ちて♪」
「…はいはい、たこやきな」
「わかったー♪今日は太っ腹になっちゃう!」
日本語の使い方がイマイチよくわかってない春奈だけど、性格はすごくいい。

人のために泣けるし、怒れる。
そんな春奈が……私は好き。