「でさー、あんときの里依紗まじウケるんだけどー!!!」

「もー、日向その話はナシ!!」


クラスでの当たり前の光景。

教卓の周りには彼女、長瀬日向を囲むクラスメイトが

ほとんどいた。


「ていうか日向、マスカラした?」

「えへへー、分かる?今日何気に力入ってんだよー。」

「え?デート?」

「ううん。彼氏はもう中3の時からいないよ。」


そういうと長瀬日向はスカートについているポケットの

中からピンク色の鏡を出した。




...本当、何故だろう。

彼女とは中学校から一緒だ。

といっても彼女は中3の時、こっちに引っ越してきた。


その時3組だった僕は彼女と同じクラスになり、

隣の席になった。