いままで…ありがとう

すると、秀君はフッ、と笑ってから私の頭を撫でた。

なんでだろうと思いながら、私は頭を撫でられる。 

「やっぱり、好きな人いるんじゃん」

「……あ」

ヤバイよ。言っちゃった。

誤魔化すために私は違う話をしようとした。

「き、今日はいい天気だね」

「あぁ、そうだなー、で、誰だ?」

誤魔化してきれてない。全く、下手だな、私。
しかも、好きな人は誰って聞かれてる。

私は壁に右手だけを押し付けそして、はぁ~…とため息をついた。
 
秀君は、なんでため息?と言って笑っていた。
 
その時だった、

「義人くーん♪もうすぐだね~」

「……あぁ、そうだな」

義人君と優菜ちゃんが教室を一緒に出ていくのを見た。

そして、

「…ぁ」

「っ……」 

義人君と目が合った。

しかし、私はすぐに逸らしてしまった。