ガサガサ
 
「さっそく準備かよー……」

「まぁまぁ、つべこべ言わずに準備する!」

みんなの声が教室中に響く。

私は今、秀君と物を運んでいる。

「なぁ、友紀……」

「ん?どうしたの?」

突然秀君は私を呼んだ。

手でも痛くなっちゃったかな?

「友紀って…その、好きな人とかいるの?」

「えっ?」

好きな…人?

私がその言葉を聞いたとき頭に思い浮かんだのは義人君だった。

義人君が好き………でも、

優菜ちゃんも義人君を………

私はごまかすために秀君に笑顔を向けて
言った。

「いないよ?」