いままで…ありがとう

「…夏見ちゃん。もう大丈夫?」

十分後、私は夏見ちゃんの肩を触って聞いた。

「うん。大丈夫」

そう言って静かに二人で立ち上がる。

立ち上がった瞬間だった。

「プッ!アハハ」

突然、夏見ちゃんが笑った。

しかも、お腹を押さえながら。

何だろうと思い夏見ちゃんを見た。

「どうしたの」

私は話しかけた。

すると、夏見ちゃんはすごい笑顔でこっちを見た。

「なんか私さ、友紀に酷いことしたなと思ってたんだ。けど、それを友紀は思い出してでも許してくれて、大きなことでも小さく感じたんだ。だからね、嬉しすぎて笑っちゃった」

「嬉しすぎて…笑う?」

何で、嬉しすぎて笑うの?

何で、笑うの?

何で…

『嬉しいって気持ちがあるの?』

わけがわからなくなってきた。

自分の中ではそんな言葉は一つも無かった。

けど、今は…ううん、違う。

私は…

「嬉しい気持ちがすでにあった。夏見ちゃんに出会った時から」