いままで…ありがとう

その時だった。

『っ!!………だめ!行っちゃ!!』 

「え?」

どこからか、声が聞こえた気がした。

「どうしたの?」

「う、ううん。何でもないよ」

夏見ちゃんは、“あそこにリスがいるよ!“と言って先に走っていってしまった。

私は一人になるのが怖いのか、夏見ちゃんのところまで走ろうとした。

けれど… 

ガッ!

「いたっ!」

地面から出ていた、気の根っこに躓いてしまった。

そのせいか体は左に向いてしまい、そこから…

「…友紀?」

落ちてしまった。

そして、私は意識を無くした。