高速IC間近、女は男に「ジンゲ、次の交差点セブンテンで降りるわ。バイクを停めてあるの。こんなポンコツに乗ってたら胸もお尻も垂れちゃいそう」

「おい胸子、降りるならパソコンかタブレットは置いて行けよ」

「あら、黒玉村……行かないの?」

「奴には二度と遭遇したくねぇ」

「でしょうね」

女は男の帽子の下に隠れた頭を思い出し、笑いを堪えた。


颯爽とナナハンバイクにまだかり、胸子は黒玉村へ向かった。
黒いライダースーツのパックリ割れた胸元から、隙間のない豊満な谷間を覗かせている。


胸子の脳裏に、おぼこい顔で豊満な胸をした黒玉村、雑貨屋の娘の顔が浮かんだ。


「私だって若い頃は、あのくらい……、今だって毎日筋トレとズートキャンププログラムで鍛えてるわン。乳圧なら負けないんだから」

アラサー女の雄叫びは、ヘルメットと車道の騒音と高速で走るバイクの風音に吸い込まれた。

風圧を谷間に浴び、胸子は更に加速させた。