話の続きは、女子学生の内緒話となり、肝心なところが全く聞こえなかった。


男と女は店を出て、エンストしそうなほど旧式のビートルに乗りこんだ。

「あれって、関係あると思うか?」

「さぁ~ね。大方、正門にある女神像に願掛けして、結ばれました……とかってオチでしょう!?」

「けど、アイツは『ロマンスだ』って確かにいった」

「それと、チェリーボーイとロマンスが、どう結びつくのよ。一致するのはヴァイオリンだけなんて何もわからないわン」

「……だが俺たちが、そのチェリーボーイを探り始めて以来、妙な占い師が度々、接触してきてるぜ」

「木六本の母、梅サクラ。鬱陶しい占い師だったわン」

「電車の定期が黒玉村だった。アイツも黒玉村に潜入して、今も……」