「でもスイッチがONに固定できなくて」

「はあ!? 磁気でも出てるって? 一緒に来い、中に入って装置を確認する」

理久はイチノの手首をガシッと掴み、部屋の前で止まり、扉を開けようとする。

「えっ!! 中に入るん!?」

「入らないで確かめられるか?」

「ご、ごもっともじゃけど……」

「せーの!!」

覚悟を決めたように扉を開けて中に入り、音の凄まじさに悲鳴は声にならなかった。


「ひっでえイビキだな。人間とは思えないな」

「人間じゃなくて……ゆるキャラ」

「ゲッ!! あの縫いぐるみーっ!?」

それぞれ叫ぶように言う。
会話と言えるのかわからない。

クローゼットの横を探り、防音装置のスイッチを確かめる。