タケトたちが去った後は、集まっていた女たちもそれぞれ散って行った。




「アヤカ!」


「アコ…」



「バカ!何やってんのよ、アンタは!!」



「タケトが、」


震えるあたしを宥めるように抱きしめたアコ。



「ええ、ずっと見てたわ。だから、止めときなって言ったのよ。どうせアンタが傷つくだけなんだから。あの男の氷った心を溶かすのはそう簡単なことじゃないのよ。大体、本当にアイツがアンタのことを助けたのかも定かじゃないのに!」



「……」



「…あんた本当に大丈夫?」


放心状態のあたしの頭を撫でながら、様子を伺うようにして覗き込む。


「タケト、何だか前より目が冷たくなってた」



「……」



「きっと寂しかったんだね」



「……」



「アコ、あたし頑張るよ。もっともっと、もーっと頑張ってタケトに振り向いてもらえるような女になる!」



「アンタって本当にばかね…。ま、そこがあんたのイイところだけど」




タケト、貴方の氷った心を絶対あたしが溶かしてあげる。